東京地方裁判所 昭和43年(ワ)9649号 判決
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〔判決理由〕二、損害<前略>
2 付添看護料
<証拠>及び弁論の全趣旨を総合すれば、原告は、前記受傷の翌日(編注―受傷の翌日は昭和四三年三月一八日である)から家事に従事できるようになつた同年四月二〇日までの間、妹の訴外飯詰トヨ子に身のまわりの世話と原告方の家事全般の処理を依頼し、右トヨ子に対し、そのため、同人が勤務先から支払を受けられなかつた給料相当分として、金二四、〇〇〇円を支払つたこと、原告の母訴外飯詰キミは、原告の受傷を心配して秋田県横手市から上京し、同年三月二二日から同年四月二日まで原告方の家事手伝をしたが、原告は、同人に対し右上京旅費及び謝礼として金一一、四〇〇円を支払つたことが認められる。原告が右以上に付添看護費用を支出したことについては、これを確認するに足る資料はない。ところで、前顕各証拠によれば、原告は、同年四月二〇日までは前記受傷により胴にギプスを装着し、家事はもとより身のまわりの処理もできなかつたことが認められ、その期間、付添人ないし家事手伝人の雇入の必要性があつたものというべきところ、前記認定の訴外キミ、同トヨ子に支払われた金額の合計金三五、四〇〇円を右のとおり付添等を必要としたと認められる日数で除した一日当りの平均額は、当裁判所に顕著な職業付添人、家政婦等の日当に比すれば、はるかに低額であつて(一日当りの平均額が金一、〇〇〇円強であることは計算上明らかである)訴外キミの家事手伝期間と訴外トヨ子の家事手伝並びに付添期間とが重複することは、前記認定によつて明らかであるけれども、なお、以上の支出額金三五、四〇〇円をもつて、相当の損害と認める。
<中略>
5 物損
<証拠>によれば、原告は本件事故によつて、その際に装着していた、その所有に属する一八金台真珠指輪及び一八金中丸指輪各一個を損壊されたため、昭和四四年一月一八日これを地金として金二、八〇〇円をもつて売却したこと、右指輪のうち一個は、昭和四二年二月一〇日金八、〇〇〇円をもつて、他の一個は、昭和三九年一〇月一二日金五、〇〇〇円をもつて、それぞれ購入したものであることが認められる。右事実によれば、右指輪はいずれも損壊されるまでの間一年以上も使用されていたものであるから、右購入価額と地金との差額金一〇、二〇〇円のうち金五、〇〇〇円をもつて相当の損害と認める。
なお、原告の請求中、被告会社に対し自賠法三条の規定により右指輪損壊による損害の賠償を求める部分については、同条が右のごとき物損に対し適用されないことは、その文理にてらして明らかであるから、その請求自体が失当というほかない。 (原島克己)